きみの元気は、僕の元気さ ファイト!
あと1年で東京五輪が開幕する。グローバル企業は、どのようなコミュニケーションを仕掛けてくるのだろうか。前回ロンドン大会の時は、公式スポンサーのP&Gは、お母さんにスポットをあてたキャンペーンを実施した。お母さんをエンカレッジして、ブランドフィロソフィーを世界にシェアしたのだ。活躍する選手たちのお母さんにフォーカスして、そのストーリーが自分たちと重なって多くの共感が得られた。企業としての社会的存在意義、そもそも何のためのブランドなのか、誰に対して何ができるのかが明確なクリエティブだった。
話が変わってポカリスエット。長きにわたって売り上げが減少傾向にあるらしい。少子化で胃袋の数が減っているだけではなく、ライバル飲料の増加もあるだろう。長期的に低迷しているブランドでありがちなのが、アイデンティティーの喪失である。イメージを形成できずに表現がブレ、キャンペーンがブレ、誰のためのブランドなのか分からなくなるのだ。そこで、本来のターゲットである女子高生にスポットを当て、エンカレッジしたキャンペーンを実施し、ブランドの再構築化を目論んでいる。大人は応援することしかできないが、応援することならできる。だから甘えなさい。それが子供の特権だから。ただし、有効期限は高校3年の3月31日までと全国的に決まっている。
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そして、最新の「エール編」では、人を応援することで自分がエンカレッジされるというメセージになっている。CMソングの歌詞に「♪あたしは、あんたのママじゃないわ」とは、ニヤリとしてしまうではないか。
このCMを観て「♪きみの元気は、僕の元気さ ファイト!」ニプロのCMソング思い出した。古くからある概念を、新しい角度の視点からメッセージすることがいちばん有効らしいのだ。いちばん早く、正確に多くの人に伝わるからで、100%新しいものではそうはいかない。
しかし、10年ひと昔といったが、今は1年ひと昔な感がするほど時代の流れは早いものだ。